反応は自発的に進行するか(Ellingham Diagram)
ある温度で反応は自発的に進行するかなど、
反応が進行するか否かについて問われることがあります
基本的には、ならば自発的に進行するととらえるとよいようです
- Ellingham Diagramなど、既存のデータ集を用いて判定する場合
Ellingham Diagramは、酸化反応のの温度依存性をプロットしたもので、合わせて平衡酸素分圧がわかるようになっています
たとえば鉄の酸化反応では、
平衡が成り立つ時より
これによりと平衡酸素分圧の関係がわかるということになります
平衡酸素分圧がわかれば、金属が酸化されずに存在できるような酸素分圧を知ることもできるということで、便利ですね
DoITPoMS - TLP Library Ellingham Diagrams - The interactive Ellingham diagramではFlashPlayerで任意のEllingham Diagramを表示することができます
おためしでNiとCrの酸化反応についてのEllingham Diagramを表示させてみました
- 例:反応は、1000℃において自発的に進行するでしょうか
上のEllingham Diagramで反応の進行の是非を読み取ってみましょう
と見てみると、図上ではすべての温度にわたってCrの酸化反応ののプロットがNiのそれを下回っていることがわかります
つまりCrの酸化反応の方が安定に起こるのですね
この反応は1000℃だろうが500℃だろうが関係なく自発的に進行することが読み取れるかと思います
- 例:反応は、1000℃において自発的に進行するでしょうか
このようにプロットが交差している場合は、途中のある温度で進行するかしないかが変わってきます
0KではFeのプロットの方が下ですが、1000℃すなわち1273KあたりではCのプロットのほうがFeよりも下にあります
つまり低温では自発的な進行は起こりませんが、1000℃では自発的に進行すると考えられます